タイ人と借金

2018年2月8日

今日は、タイ人の金銭感覚について書き綴りたいと思います。金銭感覚と言っても十人十色で、それぞれ異なるのが通常ですが、お金に対する国民性というのが存在します。わが国日本を例に挙げるのであれば、借金をするのは悪いこと、ましてや、友人からお金を借りるなどというのはあってはならないような風潮が存在します。

それでは、一方のタイにおいては、借金に対してどのような価値観を持っているのでしょうか?

私たち日本人は、先にもあげたように、借金に対して「悪」という概念が少なからず存在します。しかし、タイの人たちにとって借金に日本人の持つような「悪」の概念はありません。そもそも、お金を借りるという行為は、何かしらの問題が生じ、どうしようもなくお金の融通を受けるというものですので、困っている状態の人が申し出るものです。となると、以前書いたように、タイ人の根本の思想の1つでもあるタンブーンの作用が働きます。つまり、こういうことです。【お金に困っているから借金を願い出る。困っている人を助けるのは当然(タンブーン的にも)。よって、お金を貸す。】というサイクルになっているのです。もちろん、やおら恥ずかしそうに借金の申し出をすることがほとんどですが、借りるものはきちんと借ります。

それでは、問題の1つ、貸した金は返ってくるのかという問題です。これは非常に難しい問題です。特に、タイ人からしてみれば日本人はお金持ちというイメージを持っているので、多くを持つものが持たないものに喜捨するという観念を持ってしまっていることが多く、返さないこともしばしばありうるのです。このとき、このタイ人は悪びれるという考え方は持ち合わせていません。なにせ、タンブーン(喜捨)の精神に基づいていますから。したがって、日本人が、タイ人にお金を貸す際には、返ってこない事も十分にあるということを念頭に、融通するか否かの判断をするべきです。この返ってこない事を前提にというのは、日本人同士でも観念しうることだと思いますが、タイ人にはあくまで仏教思想のタンブーンがあるということを決して忘れてはいけません。ですから、悪びれたりはしませんし、はたまた更なる追加融資の申し出があるかもしれません。これは、タイ人特有の仏教観に基づいた行動であると思ってよいと思います。

ちなみに、個人対個人の資金融通であれば、このような、なあなあなやり取りで終わることも珍しくありませんが、この融通に「手形や小切手」といった決済手段が用いられた場合は話が180度変わります。というのも、日本では不渡りの手形を出しても銀行取引が停止になるか、2回の不渡りで倒産というのがせいぜいで、民事事件の範疇ですが、対においては、不渡りは刑法犯なのです。したがって、タイで小切手、手形の不渡りをなしてしまったらば逮捕されます。それゆえ、タイの商売人が手形決済するときなどは、日本のそれよりもはるかに慎重に行うようになります。