タイの警察官2 階級には逆らえない
前回の続きです。タイの警察官は何せ汚職にまみれているというのが現実で、とにかく、汚職で飯を食っているような感覚です。しかし、これには事情がないとは言えないのです。というのも、タイの警察官の収入というのは、通常の企業で働く人よりも、低く設定されているんですね。日本では逆に、警察官の給与は公務員の中でも高く設定されていますが。大体、ペーペーの警察官で1万バーツから1万5千バーツです。大卒初任給が3万バーツと考えると、確かに低く設定されているように思えます。それゆえなのか、それを補うために、汚職によって、生活費をねん出しているというのが実情のようです。普通に自動車乗っていると、止められて、スピード違反だからと言って200バーツ程度要求されることも少なくありません。日雇いの人々は大体100バーツが日当で生きています。それを考えると、チャコールグレイの制服と、バッジは強い汚職への印籠となってしまうんですね。そしてまた、それを是としている、というよりもむしろ、逮捕されてしまうので是とせざるを得ない庶民からすれば、非常に困ったものです。
では、対策は何かないものかと。私の場合は、バンコクでも有数の管轄の署長とお友達なので、何か警察ごとで困ったら、彼に相談することにしています。彼は彼で汚職をしているかどうかは聞きませんが、階級には逆らえないというのがタイの警察官です。彼は、非常にエリートコースを進んでおり、出世頭なので、ほとんどの警察官については電話をすれば対応してくれます。また、軍関係者も友人でいます。これも強いカードで、何かあったら電話してねと言われているので、遠慮なくさせてもらっています。
ここで、皆さんが思われるのは、「ふつうそんな人とはお付き合いする場がありません」というものでしょう。しかし、それは何とも言えないというのが事実なのです。日本人というのは、結構優遇されていまして、日本人が行くような管轄区域の警察官はしっかりしていることが、比較的多いです。その管轄内で、何かの拍子、食事で隣の席に座ったとかそんな些細なことでかまいません、そこで、「英語」が通じる者とであったら必ずお友達になりましょう。「英語」が通じる警察関係者はエリートです。それゆえ何かあったときに助けてくれることが非常に多いです。
このように、権力を盾にしてというのはあまり好みませんが、郷に入りては、郷に従えということで、長いものには巻かれるための準備は必要かと思います。